旅を行く
桜田門外の変:高岡一眞

1860年、明治維新(1868年)に至る江戸末期の激動のとき、江戸城桜田門で水戸藩尊王攘夷の志士たちが大老井伊直弼を殺害した事件である。
  井伊直弼は安政の大獄で反対派を弾圧し、日米通商条約を締結して開国を推し進めようとしていた。これに反対する尊王攘夷派の浪士は、大老を襲撃して殺害しようと企てた。3月3日、降りしきる雪の日に、水戸藩の志士18人は愛宕神社に集結し、桜田門に向かった。

桜田門 愛宕神社境内の記念碑(港区神谷町)

午前9時、千代田区紀尾井町にあった彦根藩の江戸屋敷を出て三宅坂から桜田門にさしかかった井伊直弼の一行を待ち伏せ襲撃し井伊直弼を刺殺した。井伊直弼46歳であった
 

彦根城 舟橋聖一「花の生涯」記念碑(彦根城)

 舟橋聖一は、1904年、東京都墨田区の本所(両国の近く)で生まれ、この井伊直弼を中心として、激動の時代に生きた人間模様を小説「花の生涯」に書いて、1952〜53年、新聞に連載した。1963年NHKの大河ドラマでもテレビ放映された。井伊家は彦根藩の初代からの藩主であった。彦根城に「花の生涯」記念碑がある

記:高岡一眞


彦根城