英単語の覚え方

英語の勉強には何が不可欠か考察してみると英単語(vocabulary)であることは間違いないと確信する。
日本語においても漢字を知らないと新聞も読めないし人とのコミュニケーションも充分果たせない。
英単語を知らないで会話するのは 赤子と会話するようなもので意志疎通は、ほとんどままならない。
逆説的に言えば、英単語を知っていれば、それだけでコミュニケーション出来ると思う。


翻訳の歴史

 日本人が歴史の上で外国語(英語)に接する機会は江戸時代の鎖国のせいで明治になる
までほとんどなかったと言えるが、英語がどのように日本語に翻訳されたか、いくつかの
例題をみてみよう。いずれの翻訳も良く考えられているので記憶する上での参考となる。

@江戸時代の半ば(1700年代)に杉田玄白ほかは解体新書(原本はオランダ語)
読んで西洋医学の勉強をした。この中でanatomyという単語は解剖と訳された。英単語
anatomyを分解するとanatomyに分けられる。即ちanaはバラバラにして解きほぐすと
いう意味でtomは切る、yは名詞化。従って身体を切り裂いてバラバラにすることを意味し
解剖という日本語に訳されています。

英単語anatomyに関連する英単語を以下に示します。

ana解きほぐす、バラバラにする

   anachronism(時代から浮き上がっている、時代錯誤)

   analyze(バラバラにして成分を析出させる)

tom切り裂く

   tomahawk:空飛ぶ鷹(hawk)をも切り落とす大きな斧

   atom:これ以上切れない(a)もの、原子

A1872に慶応義塾を興した福沢吉の著書“学問のすすめ”で  英単語freedom
(一人一人の自らの意思に由ること)と訳したが英語的にはfree拘束されていない
という意味である。

英単語freedomに関連する単語

dom状態、国

domain(領域)

   domestic(家庭内の)

   kingdom(王様の国)

B愛媛県松山市の文豪 正岡子規はbaseballを野球と翻訳したそうだ。Baseは台座、基礎と
いう意味であるが子規は文学者らしく野原で球遊びをする競技として野球としたようだ。

英単語baseballに関連する単語

basically:基礎的な

debase:基礎レベルを下げる、品質を落とす

C英単語informationは情報と訳されているが、戦況の状(情)況または男女のありさま(情
事)を知らしめるデータをインプットする意味から情報となったようで、学問的にも情報工学が
生まれた。

英単語informationに関する単語

  formal:標準形式に従った

  performance:初めから最後まで演じた成果(形)

  reform:元の形に変える

  transform:別の形に変える

  uniform:一つに統一された制服

D英単語science は科学と訳されているが、科は知識ごとに切り分けて分類したもの(英文科、国文科、
物理学科など)を意味する。英語のscienceは知っていることでconsciousは全て(con)を承知
の上で、conscienceは善と悪との両方(con)を知り分ける心、良心を意味する。

  
接頭辞の意味を解説する

(nation)と国との間で(inter)でお互いに情報交換できる国際的な(international)な英語
力をつけるには、まず接頭辞を理解しよう。

接頭辞(prefix)は語幹の初め(pre)にくっ付いて、語幹の意味を変えて新たな意味を持った
単語を構成する重要な要素である。いくつかの例題で理解を深めてみましょう。

あの有名な作曲家は色々(com)音符を集めて(pose)作曲して(compose)いたが、何を目指して
pur)その目的(purpose)は何であったろうか。今は、すでに死んで今頃手足で構成された死体は
分解して(de)朽ちて(decompose)いると思う。もちろん死体は屋外に(ex)放置(pose)して
さらされる(expose)ことなく墓に埋葬されている。

 アメリカでは使い古したバッテリは廃棄(dis)して処分する(dispose)費用は、新品購入時に
預け(de)入れた預託金(deposit)で賄われる。新たな税を加えて(im)課税される(impose)ことは
ない。追加して(sur)払う追加料金(surcharge)も不要である。このシステムに反対意見を
被せて(op<ob)反対する(oppose)人は少ないが、中には別の案を前面に(pro)提案する(propose)
もいる。

他人に対して反対(anti)の感情を感じる(pathy)ことを反感(antipathy)と言い、
同期して(sym<syn)同じ感じを抱く場合は同情(sympathy)となり、何事にも感じない(a)人は
無関心(apathy)となる。感情的に相手の気持ちにさせる(em<en)場合は感情移入(empathy)した状態
と言える。

接頭辞は部材(structure)を集めて(con)建設的(constructive)でもあり、部材を外して(de)
壊的(destructive)でもある。

このように一緒に(co)動いて(operate)して協力(cooperation)する等して、語幹の意味を大きく
左右することになる。

接頭辞は、何かに対抗して(contra)又は味方して(pro)働くことがある。あなたの意見に対抗して
別の案(version)を述べるなど論争(controversy)となることもあれば、自分にかぶるように(op<ob
身を置いて(pone)敵対者(opponent)と自分の考えを前に勧めて(pro)置いて(pone)くれる
proponent(推進者)と二つ(di)のグループに分かれる(divide)ことになる。

上に(e<ex)レバー(lever)で軽くして持ち上げ(elevate)たり、下に(de)押して(pres
s)
圧迫(depress)もする。さらに(ad)行動(do)を追加(add)し、又は下から(sub)引いて(tract)
引き抜いたり(subtract)、あるいは増やして(in)増大(increase)させたり減らして(de)
減少させたり(decrease)する。まさに 接頭辞は初めから最後まで(per)英単語の構成を作り(fect)上げ
完璧な(perfect)な、超人(superman)的な全能の神様である。考えて記憶した英単語は思い出す(get)こと
が出来ない(for)ことはなく(un)unforgetableなものとなる。

接頭辞を覚えるだけで、しっかりした船底(board)の上(a)に乗って(aboard)大海に出るような
もので、英単語の構成が向こう(trans)まで透けて見えるほど透明(transparent)になると思う。

接頭辞は数も少なく、記憶力アップに役立つ英単語学習帳では主なもの30個を取上げている。例題も
数多く並べているので読むだけで接頭辞を理解できると思う。


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